クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

昨晩はサッカーを見たあと、悶々としたままこの本を読み始めた。
最初のうちは余剰な表現描写にいささか辟易をして読むのを止めようかとも思ったけれど、あまりの脱力感から眠れず取りあえず読み進めた。
気がつくと夢中で読んでいた。
読み終わった時は午前4時を回っていた。
あの1985年御巣鷹山日航機墜落事故がモチーフとなっている。


この事故の当時、著者は地元群馬の新聞記者だった。
著者がこの小説にたくした思いが痛いほど伝わって来る。
たぶん溢れるほどに書きたい事がある中で、絞りに絞り込んで練られ構築されている。
何をしたいのか、何を伝えたいのか、それが相手に伝われば、こんなにも人を感動させてくれる。
たとえそれが共感できないことだしても、それを伝えてくれたことに素直に感動できる。


だからね、昨日のサッカーは全く感動できなかった。
たとえ負けても、感動させてくれた試合があったのに。