あなたはあなたに合った靴を履いてますか?


セールの文字にふらふらと靴屋さんに入った。
私はヒールの靴を履くとすぐ親指にたこが出来ちゃう。
サンダルタイプだと、後ろのベルトがすぐ落ちちゃって、サンダルから踵が落ちる。
だから結局ヒールの低い靴ばかりを履く事になってしまう。
それでもよくたこが出来ちゃうので、幅広い靴ばかり選んでいた。

そんな話を、女性パワーに圧倒されてボーと立っていたやや年配店員さんにした。
ちらっと私の足を見ると、「甲が低いから、足が前に滑るからですよ。むしろ幅の狭いタイプを選んだほうがいんですよ。」と即答。
「試しにこれを履いてみてください。」と出されたのは、いつもサイズ23.5cmなのに、23cmの幅の狭いタイプ。
えーーーこんなの履けるかいな、指先痛くならないのかいな・・・・と思いつつ、履いてみるとピッタリ。足のどこにも余分な力が加わらず、すごく軽く履ける。
でもその横にあった靴のデザインが気になって、そっちも見せてもらう。
お店のおじさん一言。「いや、そっちは足にフィットしないと思いますよ。この部分のデザインがこうなってる分、甲とのフィット感がずれるんですよね。」
それでも一応履かせてもらう。やっぱりさっきのに比べると微妙に足と靴の間にスペースが出来てしまう。
さすが靴のプロ。
結局最初に選んで貰った靴をそのまま履いて帰る事にして、約4時間歩き回ったのですが、ヒールなのに足が痛くなる事もなく、しかも足が疲れない。


そう言えば、以前イタリアに旅行した時の事。
友人がフェラガモの靴を買いたいと言うので、お店に入った。
試しに履いた友人の足を見てお店の人が一言。
「申し訳ないのですが、うちのお店にはあなたに合う足型がありません。」
さすがイタリア本場なだけあって、すべての靴にBとかCとかDとかEとか色んなワイズサイズを取り揃えていたので、取っ替え引っ替え試してみる友人。
素人の私から見ると、それなりに足のサイズに合ってるように見えるのだけれど、お店の人は困ったように首を振っている。
何とか彼女にわかってもらおうと、少し試してみたほうがいいからお店の中を何周か歩いてみて下さいと言う。
それでも買う気満々の彼女を見て、お店の人が私に言ってきた。
「どうぞあなたのお友達を説得してください。後で足が痛くなるような靴を売りたくないのです。」と。
結局友人は、「大丈夫、大丈夫、ぴったりだから。」と購入して日本へ帰って来た。
2、3回履いてる姿を見かけたが、1ヶ月もすると履かなくなった。
理由は聞かなかったけれど。


いっぱいお店が増えて便利になった分、売る側のプロはどんどん減っているような気がする。
今の今まで、化粧だらけのおねーちゃんに何度も相談して靴を選んでもらったのに、誰一人こんな靴を選ぶ基本を教えてくれなかったよ。