未来を写した子どもたち


シネスイッチ銀座で観てきました。
映画のサイトは、ここ
原題は、"Born Into Brothels"
Brothelsとは、売春宿のこと。インドのカルカッタが舞台です。
なのに邦題は、"未来を写した子どもたち"
何しろ文部科学省の特別選定作品なんで、上っ面を撫でてみました的邦題。
売春窟で暮らす子どもたちがザナ・ブリスキというフォトジャーナリストと出会い、カメラを与えられ、写真を撮る事を覚え、その写真が売春窟を抜け出すための資金となるわけです。


映画に出てくる女の子たち、勿論お母さんは売春婦で、他の人からみたらどん底に近い生活をしてるわけです。
でも日常の普通のシーンでもきっちり綺麗に三つ編みとかにして、可愛いリボンとかしてる。
お母さんが、娘のために三つ編みを結ってあげて、可愛いリボンをつけてあげて、「さぁ可愛くなったわよ。」とか言いながら頭をポンポンと叩く。
娘は、嬉しそうに甘えたように「お母さん、ありがとう」とお母さんに抱きつく、そんな朝の光景が目に浮かぶわけです。
そして娘が年頃になると、母が娘に身体の売り方を教える。
生きていくための手段として。


最近テロが頻発してるインド。
貧富の差はますます広がり、宗教対立も激しをますばかり。
"知らなければこんなもんだと思えていたものが、知ってしまうと手に出来ない事に絶望してしまう。"
"たった数人の子どもをこの環境から抜け出させたとしても、根本的な解決にはならない。"
などなど、色んな考えがあるのは当然ですが、何もしないよりは、何かしたほうがいいのは間違いないと思いました。
そしてこの映画に登場した薬中の父と生きたまま焼き殺された母を持つアヴィジットは、この売春窟を脱出して現在ニューヨーク大学芸術学部に在籍中だそうです。
少なくとも一人の子どもが夢を実現しようとしてるわけです。
この映画の制作者であるザナ・ブリスキが設立した非営利組織「KIDS WITH CAMERAS」のサイトは、ここ


映画館のロビーに子どもたちが撮った写真が展示されてます。
衝撃的でした、自分で写真撮るのが嫌になるぐらい。